FOMCと経済指標に注目
先週は、英大手金融機関の巨額損失をきっかけに、欧米金融機関の信用不安が広がった。ポンド円は過去最安値を更新、他クロス円もリスク回避の動きから円独歩高の展開となった。対欧州通貨に対して米ドルが強含みに推移したため、ドル円相場への影響は他欧州通貨ほど大きくなかったが、今週のFOMCの結果次第では、改めて円高ドル安に向かうリスクもあり警戒されている。
FOMCでは、引き続き政策金利0.00-0.25%とし、信用市場を支える方針を維持する見通しだが、追加の金融資産購入など特に意外性のあるものは出てこないのではないか、との見方もあり、市場の失望を招く可能性もある。
先週相場をリードした欧州では、失業率や物価指数の発表が予定されており、下振れすれば、ゼロ金利政策を余儀なくされるとの見方から改めてユーロ売り、欧州通貨売りが加速することも考えられる。
さて、オバマ新政権が発足し、ガイトナー新財務長官は、人民元切り上げの姿勢維持とともに、為替相場は市場の力で決定されるべき、との見解を述べた。マーケットではドル円が80円の水準を割り込む前に日本の財務省による「ドル買い/円売り」介入が実施されるとの見方を持っている参加者が多いというが、今回のガイトナー財務長官の発言によって、日本の財務省は行動しづらくなった面もあると思われる。1ドル80円を割り込んでしまうと、輸出企業の体力は一層弱まってしまうため、その際に財務省はマーケットに対して今後の通貨政策に関する姿勢を示す必要に迫られる。
実弾介入には、相場を押し上げる「積極的なドル買い」と急激な円高に歯止めをかけるための「緩やかなドル買い」の二つのパターンに分けられるが、仮に日銀介入が行われた場合は、どちらに属するかをしっかりと見極めなければならない。現在のところ、米国に配慮するため、小額に留まるのではないかとの見方が強く、相場の反発に際しては慌てず、時間を置いて検証することも想定しておきたい。
円高リスクだけに注意を払えば良いという訳ではない。今週は「旧正月」の連休に入るため、積み上がった短期投機筋のポジション調整がリスク要因として挙げられる。特に、シカゴIMMの円ロングポジション(円買いの建て玉)は高水準となっており、ポジションの偏りから、潜在的に円の売り戻し余地は膨らんでいる。金融機関への追加増資、米企業決算の一段落やローマG7に向けて調整が進む可能性もあり、今後の行方を見極める展開が続くことになる。